ニッケイ新聞 2013年10月9日
希望の家(上村ジャイロ理事長)主催の「第35回緑の祭典」が28、29の両日、イタクアセツーバの同施設で開催され、約1万5千人の来場者を楽しませた。
サンパウロ市日系団体など1500人のボランティアにより屋台には焼きそば、うどんなどの日本食と各種軽食が用意され、新鮮な野菜や果物、花が販売された。また新品衣類、装飾小物を扱うテントには入場するための行列ができ大盛況。そのほか血圧・血糖値測定やマッサージ、子供を預けられるブースも設置された。
ステージでは歌手の中平マリコさん、グレゴリー・ロドリゲスさん、平田ジョーさんらのショー、和太鼓団体などが終日、会場を盛り上げた。抽選会ではトヨタの自動車、ホンダのバイクなど豪華賞品が用意された。
会社員のフィリペ・アルカンタラさん(40)はカラグァタトゥーバ市から車で2時間かけ、妻のララさん(34、三世)、二人の娘とともに訪れた。過去に9年間、長野県飯田市で働いた経験があり、「おにぎりなどの日本食や和太鼓などの日本文化に触れることが出来た」と日本での生活を懐かしんだ。
市場よりも格安な野菜や花を両手一杯に持ち、帰宅する人々が多く見られた緑の祭典。運営に携わった大野孔三副理事長(71、福岡)は「花を売ることから始まったこの祭り。それが『緑』の祭典と名付けられた所以。これだけの規模は日本でもないのでは」と満足感を見せ、「希望者に対し施設見学も行ったが、入居者の生活、現状をよりよく知ってもらうために内容を再考する必要がある。スライドショーと施設内一周だけでは足りない」と、視線はすでに来年に向けられていた。