30%の大学が不合格=教育省の習熟度テストで=私立校の教育の質改善進む
12年に教育省が行った全国大学生習熟度テスト(Enade)で、5を最高とする6段階評価で1や2をとり、高等教育機関としては不合格と判断された学部や学科が全体の29・92%に増えたが、その一方、私立校の教育の質に改善が見られたと8日付伯字紙が報じた。
最終学年生が受ける実力試験でもあるEnadeの結果は、学部や学科の評価にも使われ、1、2と評価された学部に監査官が入り、改善努力が見られないと判断した場合は、翌年度の学生募集禁止などの措置も採られる。教育省では同じ学部に3年毎に試験を適用、各学部の教育の質向上を目指している。
12年のEnadeの対象は人文科学系(経営学、会計学、経済学、社会通信、デザイン、法学、心理学、国際関係学、秘書学、観光)と技術系(商業経営、人事、財務管理、輸送・運輸、マーケティング、経営管理)の16コースで、1646の高等教育機関、7228の学部・学科に在籍中の学生53万6千人が受験した。
12年に1、2と評価された学部は29・92%で、09年の24・9%より増えたが、これは、09年には最終学年生ゼロだった新設大学や教育センターでも受験者が出たためと見られている。09年に受験者ゼロの大学は26・6%あったが、12年は1・8%に減った。公立校で不合格となったのは8%だったが、私立校では31・80%が不合格だった。 全体に低調だったのは経済学と法学、経営学で、各39・45%、33%、35・8%が不合格だった。心理学は不合格率16・6%で最もレベルが均一化している。
一方、3以上と評価された学部は、09年の48・5%が68・3%に増加した。5と評価された学部は1・0%が5・4%、4は9・7%が19%、3は37・8%が43・9%に各々向上。
公私別に見ると、公立校の5は4・3%が17%に急増。4は24・5%が29・8%、3も32・8%が33・7%に各々向上した。私立校の方も、5は0・4%が3・5%、4は7・1%が17・3%、3は38・6%が45・6%に増えたが、公立校との差は依然として大きい。
今年のEnadeは11月24日に行われ、これまでは不参加だったサンパウロ総合大学(USP)も一部の学生が体験的に受験する。評価の対象は保健・衛生と農業関連の学部生で、4916学部、20万人が受験する見込みだ。
12年のEnadeは全体的な向上が見られたが、ブラジルでは18~24歳という大学就学年齢の若者で大学に行っている人は14%。現時点では高等教育定着とは言い難く、教育レベルの底上げも時間がかかりそうだ。