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IMF=ブラジルの成長予想を下方修正=新興国では最低の成長率

ニッケイ新聞 2013年10月10日

 国際通貨基金(IMF)が8日に最新の世界経済見通し(WEO)を公表し、2014年のブラジルの経済成長率予想は従来比0・7%ポイント減の2・5%(今年7月時点は3・2%)に引き下げられた。今年の成長見通しは2・5%に据え置かれた。8日付G1サイト、9日付フォーリャ紙などが報じた。
 新興国・途上国の今年の成長率予想は5%から4・5%、来年の予想も5・5%から5・1%にそれぞれ引き下げられ、新興国の経済成長減速への懸念が示された。ブラジルの来年の成長率は今年1月時点では4%と見込まれていたが、今回はそこから1・5%ポイント引き下げられ、新興国の平均5・1%の半分にも満たない数値となった。
 インドは今年の成長率予想が3カ月前の5・6%から1・8%ポイント引き下げの3・8%と、最も大きな下げ幅を記録した。その次は、2・9%から1・2%への1・7%ポイント減のメキシコが続いた。
 80年代、90年代前半のブラジルは、他の新興国の平均を上回るペースで成長し、2010年の国内総生産(GDP)は7・5%の成長を記録したものの、その翌年は2・7%へと落ち、経済減速が続いている。
 世界経済に関しても、IMFは「回復は依然として緩慢」と見ており、今年の成長率予想を3・2%から2・9%、来年は3・8%から3・6%にそれぞれ下方修正した。先進諸国の成長率予想は2%にとどまった。
 IMFがブラジルの成長予想を下方修正した主要原因は、インフレ、欧州経済危機、為替急変に伴う市場の混乱などで、「実質所得の低下が消費に影響する可能性がある。融資制限や雇用、所得の伸び悩み、政策への不安感が経済活動の足を引っ張り続けることも考えられる」と分析している。
 また、「物価高騰を抑制するため政府支出の増加を見直す必要がある」と指摘、昨今のレアル急落については「国際競争力を上げ、ソブリンファンドの利上げがもたらすネガティブな影響を部分的にカバーする」と肯定的にみている。