ニッケイ新聞 2013年10月11日
下院は9日夜、連邦政府が提出した、医師派遣プログラム「マイス・メジコス」に関する暫定法案(MP)の審議を終え、一部修正の上で承認した。9日付G1サイトなどが報じた。これにより、各地方の医療審議会が持っていた、外国人医師に仮の勤務登録を与える権利は保健省に移管されることになり、外国人医師の仮登録の遅れが解消される可能性がある。
DEM(民主党)リーダーのロナウド・カイアド下議は「医療審議会にその権利を認めたクビシェッキ大統領時代の柱を壊す法案」と非難したが、政府側は「登録許可の権利が保健省に移管されれば、無医村地域の医師派遣を早める」としている。
下院ではこの暫定法案を検討するための特別委員会が設けられており、本会議での審議は8日から始まった。9日の審議は7時間以上にわたり、DEM、PPS(社会大衆党)、農業派の議員らが強い抵抗を示したが、一部の修正を加えた後に承認された。修正・加筆された項目には、既に退職した医師を優先して採用するという項目があり、これはPMDB(民主運動党)が提案した。
もともとの暫定法案では、ブラジルで医師資格を取得したブラジル人医師を最優先した後は、国外で取得した医学部卒業資格がブラジルのそれと同等の資格を有することを承認する試験(Revalida)に合格したブラジル人医師を優先し、その次にRevalidaを受けていない医師を採用すると定められていた。
審議が終了した暫定法案では、4年目以降も同プログラムで働く場合はRevalida合格を条件にするという項目、医師らが3年勤務した後さらに3年の契約延長を認めるという項目も承認された。その場合、〃特別医療職〃として勤務することになるが、その詳細は定められていない。
8日付Exame誌電子版によれば、当初プログラムでブラジルに到着した外国人医師は9月23日から勤務開始の予定だったが、外国人医師660人のうち、現時点までに登録が認められたのは半数の338人のみだ。パディーリャ保健相、サウヴァッティ大統領府調整長官によれば、これらの医師は審議会から登録許可を得られなかったため、実際に勤務していないにも関わらず報酬を得ているという事態となっている。
既に第二期の募集で国外で医学を修めた2180人の医師が応募している中、政府はこの登録の遅れを繰り返さないよう対策を急ぎたい考えだ。
改正案は今後上院で審議された後、可決されれば大統領裁可となる。