ニッケイ新聞 2013年10月11日
援協が運営する自閉症児療育学級「青空学級」(PIPA、井上健治代表)の『第9回発表会』が先月28日、援協本部で開かれた。12人の生徒らが「エコPIPA」をテーマに様々な出し物を行なった。笑顔一杯、落ち着いて発表に臨む子どもたちに、家族ら80人の来場者は温かな拍手を送った。
日本の教育から派生した、薬を使わないTVD(Terapia de Vida Diaria、日常生活療法)を実践しているPIPA。薬の使用が一般的な当地での認知度はまだ低いが、生徒は増えており、35人を収容できるまで施設を増設する計画も持ち上がっている。
普段と違う環境にも戸惑いを見せず、生徒らは廃材で作った工作を手に行進したり、空き瓶で作った木琴を弾きながら歌ったり、一輪車に乗ったり和太鼓を演奏したりと、様々な活動を披露した。
今年から援協、JICAと提携し、PIPAにおけるTVDの強化を支援する社会福祉法人「トポスの会」(東京都)の平雅夫理事も出席し「初めて舞台に立った時、普通なら泣き叫んで逃げてしまうのに、笑顔で最後までやれた。普段からグループ活動に取り組んでいる成果」と喜んだ。
在籍児童の保護者、セルソ・リマさんは、7年間学校を転々とした末、オザスコ日本祭りでPIPAを勧められ息子を入学させた。「この学校はセンセーショナル。毎日毎日、息子が変わっていくのがわかる。バスを4回も乗り継いで来る価値がある学校」との体験談を発表した。
発表会が終わると、子どもたちが参加者一人ひとりに記念品を手渡し、昼食会が開かれた。
会場に飾られたPIPAの写真展を眺めていたヴィウマ・サー・アジフさん(73)は「すばらしい発表だった。ブラジルの教育方法とは全く違うPIPAのやり方を、私たちはもっと学ぶべき」と話した。