ニッケイ新聞 2013年10月11日
サンパウロ人文科学研究所(本山省三理事長)は15日午後6時半から、「コロニア今昔物語」を文協ビル1階の第13号会議室で開く。講師に陶芸家の中谷哲昇さんを迎え「カザロン・デ・シャーの復元と保存活動」がテーマ。
カザロン・デ・シャーは1942年、当時紅茶の産地であったモジ市コクエーラ地区にある旧製茶工場の別名。日本人大工・花岡一男氏の施工によって特異なデザインに仕上げられた工場は、その美術、歴史、考古学的な価値により、86年には連邦政府から文化財として認定された。
60年以降は倉庫として使用されるも荒廃が激しく、その修復・保存を提唱した中谷さんによって保存協会が設立。工事は連邦と州始まった。日本の専門大工を招聘、現在ほぼ完成している。今後は各種展示会やイベント開催に利用される予定。
人文研は「関係者の執念が叶った文化事業。長年の経緯を聞くことの貴重な機会です」と呼びかけている。
問い合わせは人文研(11・3277・8616)まで。