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サンパウロ市=21年ぶりに初等教育改革=3千人の臨時教員を雇用

ニッケイ新聞 2013年10月12日

 教師不足の解消と市立学校改革を目的に、サンパウロ市の教育局が来年一年を通じ、約3千人の臨時教員を採用する方針を明らかにした。11日付エスタード紙が報じた。
 来年12月までに公務員試験を行って正式採用する教員の見込み数は2194人で、臨時教員の採用見込み数はそれ以上だ。現在は市立校教師6万1500中の3800人余、州立校では約23万人の教師のうち4万9千人が臨時教員だ。
 市教職員養成組合のクラウジオ・フォンセッカ代表は「臨時教員を採用するよりも、憲法に則る形で、最近行われた公務員試験に合格した人を採用し、次の公務員試験を実施すべきだ」としているが、教育局によれば、次の公務員試験の実施はそれまでの年に試験に合格した人を採用してから行う意向だという。
 なお、新たな教師募集に加え、セーザル・カレガリ教育局長は10日、市の教育改革プロジェクト「マイス・エドゥカソン」(もっと教育を)の最終案を公表し、ハダジ市長が改革案成立の署名を行った。
 この件に関しては8、9月に教育局がインターネット上で公聴を行い、期間中には3052件のコメントが集まったが、その中の28・3%はプロジェクトへの疑問や批判が占めた。
 従来との最も大きな変更点は、これまで初等教育課程は1〜4年、5〜9年の二段階だったのを3年ずつの三段階に分けるもので、これまでの進級審査は5、9年生の2回のみだったが、3、6〜9年生終了時の5回行う。教員の間で反発が強かったが、市長が強く推した項目だ。
 他には宿題の実施、隔月の試験、成績評価の実施を義務付けたのが主な変更点。市長は「(この改革は)学校教育に大きな改善をもたらす」と話している。