ニッケイ新聞 2013年10月15日
マリーナ・シウヴァ氏が、同じく大統領選出馬が有力視されているエドゥアルド・カンポス氏が党首をつとめるブラジル社会党(PSB)に移籍して以降、最初となるダッタフォーリャによる14年大統領選挙に関する世論調査が行なわれた。12日付伯字紙が報じている。
11日に行われた今回のダッタフォーリャの調査は、PSBからの大統領候補が現時点で明確でないことから、パターン別に細かく支持率を出している。
まず、PSBの候補がカンポス氏だと想定した「シナリオA」では、ジウマ大統領(労働者党・PT)が決戦投票を待たずに勝利するとの結果が出た。ジウマ氏の得票率は42%だったが、対立候補のアエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)21%、カンポス氏15%。両者を足しても36%で、ジウマ氏の得票率が上回る。
だが、8月までマリーナ氏にあった26%分の得票が8%分配されたため、カンポス氏の得票率は調査開始以来はじめて10%を超えた。
また、調査対象を「最低給与の10倍以上」の所得層に限って見た場合は、アエシオ氏が29%の支持でジウマ氏をわずかに上回って1位となっている。
一方、PSBの候補をマリーナ氏にした「シナリオB」では、ジウマ氏の1位(39%)は変わらないが、マリーナ氏が29%で2位、アエシオ氏が17%で3位となった。だが、「最低給与の5倍以上の所得層」ではマリーナ氏が1位で、「10倍以上」だとジウマ氏がアエシオ氏に抜かれて3位に落ちた。
Aの場合のPSDB候補をジョゼ・セーラ氏に代えた「シナリオC」での3人の順位はAの時と同じだが、セーラ氏が25%と、アエシオ氏より高い得票となる。また、「最低所得10倍以上」ではカンポス氏が1位となっている。
ジウマ、マリーナ、セーラ氏という10年大統領選と同じ組み合わせの「シナリオD」は、シナリオBとほぼ同じ結果だが、セーラ氏はどの所得層でもジウマ氏に勝てなかった。
現状の調査結果では、PSBからの候補者はマリーナ氏の方が決選投票にも進め、有利となっている。今回の調査では決戦投票のシミュレーションも行なっているが、ジウマ氏とマリーナ氏が決選投票になった場合、ジウマ氏が勝つという結果になっているものの、ジウマ氏の47%に対しマリーナ氏も41%と高い得票率となっている。これがカンポス氏だと28%まで下がる。
だが、現状で一番伸び代があるのはカンポス氏だ。今回調査での知名度はジウマ氏99%、セーラ氏97%、マリーナ氏88%、アエシオ氏78%に対し、カンポス氏はわずか57%。その半分以上の32%分が「名前を聞いたことがある程度」であることも明らかとなっている。
「この候補には投票しない」という拒絶率は、カンポス氏がセーラ氏、ジウマ氏に次ぐ3位(24%)だったのに対し、マリーナ氏は5位(17%)だった。