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8月小売売上=予想を上回る0・9%上昇=不調の13年では健闘=第3Qの落ち込み緩和か?

ニッケイ新聞 2013年10月17日

 ブラジル地理統計院(IBGE)が15日、8月の小売業界の売上は、6カ月連続での上昇となる前月比0・9%の伸びを記録したと発表した。16日付伯字紙が報じている。
 自動車なども含む広範囲の小売販売は、7月に記録した前月比2・1%増は下回ったものの、前月比0・9%増で今年2番目の伸び率を記録し、市場関係者を驚かせた。それは、8月の売上の伸びは0・1〜0・3%と予想されていたからだ。
 8月の売上増を支えたものとしては、政府が打ち出した「ミーニャ・カーザ・メリョール」で電化製品などの購買が増えたことや、8月の小売業界のインフレ率は0・1%で、広範囲消費者物価指数(IPCA)の0・24%を下回るものだったことで、消費者の間で安心感が生まれたことがあげられる。
 コンピューターなどの情報処理関連機器の売上が7・6%増えたのをはじめ、自動車やバイクが2・6%、家具や電化製品、建築資材が0・8%の売上拡大を見せた。さらに、6月以降に起きた食品のデフレ現象の影響もあり、スーパーマーケットでも0・6%の売上増を記録した。
 この結果を受け、市場関係者たちも2013年の小売販売の成長予想を上方修正しはじめた。LCAは当初の4・1%から5・0%に改め、全国財・サービス・観光商業連合(CNC)のエコノミスト、ファビオ・ベンテス氏も「13年上半期の伸びは過去10年で最低の3・0%と苦しんだが、後半は約2倍の5・9%が望めそうだ」と語っている。
 だが、ベンテス氏によると、下半期での伸びがあったにせよ、13年の小売販売は8・4%の上昇を記録した12年の実績は上回らないだろうと語っている。それは経済基本金利の引き上げでローンの金利が高くなったことで、耐久財の消費の活性化は期待できないためだという。
 また、8月の時点で、直近12カ月間の小売販売の累積成長率は5・1%で、2009年10月以来最小の数字となっている。IBGE商業・サービス部門のレイナルド・ペレイラ部長は「消費活動は冷え込んでいる」と語っている。
 だが、7月、8月の小売部門の成長と工業が現状を維持していることで、第3四半期の国内総生産(GDP)の落ち込みが緩和されるのではないかとの見通しも出てきた。GDPは第2四半期に1・5%の成長を見せていたが、第3四半期の下落は確実と見られていた。イタウ銀行のエコノミスト、アウレーリオ・ビカーリョ氏は「私たちが予想していた数字より悪い結果となる事態は回避されそうだ」と語っている。イタウ銀行では第3四半期のGDPは前期比0・5%減と予想している。