ニッケイ新聞 2013年10月17日
ルーラ政権が04年に導入したボウサ・ファミリア(生活扶助、以下BF)が丸10年を迎えようとしているが、スイスに本部を置く国際社会保障協会(ISSA)が貧困対策としてのBFの役割を高く評価、社会保障分野で顕著な功績を挙げたとしてブラジルを表彰する事を決めた。15日付アジェンシア・ブラジルによると、表彰式は11月にカタール行われる。
ISSAは1927年に設立され、世界157カ国に335の加盟機関を持っており、各々に専門的な情報や知識、高レベルの社会保障ネットワークなどを提供している。11月10〜15日に世界社会保障フォーラムと第31回ISSA総会が開催されるが、社会保障の分野で貢献した国の表彰は今回が初めて。
応用経済調査院(Ipea)の研究によると、BFは同政策への投資額1レアルに付き1・78レアルの経済効果を生んできた。国内総生産(GDP)の1%の投資を行う事で、GDPは1・78%、家族消費は2・4%拡大したという報告は、30日に刊行される『生活扶助—統合と市民権の10年』に明記されているという。
同院によると、BFの導入で、2012年の極貧者は2002年より28%減少した。BFが導入されていなければ、昨年の極貧者は現在より36%多い人口の4・9%に上っていたという。
研究員達は、BFは学校への出席率を向上させると共に、留年者や学校にも行かず仕事もしない人の数の削減、5歳までの子供の死亡率低下、未熟児出生数の減少、適正年齢での予防接種率向上などの効果をもたらしたとしている。
テレーザ・カンペロ社会開発相は、BFによる所得分配は他の方法より効果的で生活の質向上にも寄与すると発言。ミリアン・ベルキオル企画相も、第2回持続的かつ連帯的農村開発全国会議2日目の15日、BFにより市街化地域と農村部との間の生活レベルの格差が縮小したとしている。