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「判事個人への攻撃は不当」=Aマリア・ブラガに損害賠償=殺人事件での判決批判で

ニッケイ新聞 2013年10月18日

 グローボTVが平日午前8時半から放送している、料理とニュースの番組「マイス・ヴォセ」でおなじみのテレビ司会者で女優のアナ・マリア・ブラガさん(64)と、番組を制作するグローボ局に対し、高等裁は16日、15万レアルの支払い命令を出した。
 支払い相手はある女性裁判官。事の発端は、2007年11月20日放送の同番組で、アナさんがその裁判官の法的判断を批判したことに始まる。同裁判官は、元恋人を殺害して自殺したモトボーイの若者が、殺害を犯す5カ月前に元恋人を誘拐して脅迫する事件を起こした際、若者の仮釈放を認めていた。
 アナさんは大胆にもその担当女性判事の名前を挙げ、視聴者に「この名前を覚えておいて」と呼びかけていた。また、「仮釈放は、その青年の態度が良かったために出た判断だったのでは」との推測も披露していた。
 高等裁側は、「(アナさんが)その判事が被害者の死に〃協力した〃かのように名前を公表して個人攻撃した」という理由で賠償金の支払いを命じたという。その女性判事は当時、青年が罪を犯す可能性を否定していたという被害者の証言に基づく検察の見解が正しいと判断した上で、釈放を決定していた。
 番組の反響で同判事への批判が集中したために、判事は番組の制作元のグローボ・コミュニケーション社とアナさんを訴え、15万レアルの損害賠償を求めた。
 地方裁判所がこの訴えを認めたため、グローボ側は、高等裁判所に証拠の再精査を求めて異議申し立てをしたが、再精査は高等裁で禁止されている。
 シドニー・ベネティ判事によれば、仮釈放の判断は当時の法律に基づいてなされたもので、「その(仮釈放という)法的判断に対して、または、その基となった法律への適切な批判はあり得たかもしれない。しかし、判事個人を否定的に強調することは認められない」とコメントしている。(16日付Veja誌電子版より)