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MTST=市役所に再度侵入図る=強制立ち退きなどに不満

ニッケイ新聞 2013年10月18日

 【既報関連】サンパウロ市中央部で17日朝、ホームレス労働者運動(MTST)運動家達が抗議行動を再開、昼頃にはサンパウロ市市役所への侵入を試みて入り口のガラスを壊す騒動も起きたと同日付各紙サイトが報じた。
 MTSTは15日にも市議会に侵入しようとして市警備隊や軍警に阻まれた。交渉団12人は市議会議長と会談後、市役所にも出向き、解散時に、15日にもデモを行うと予告していた。
 MTSTは17日朝9時にラモス・デ・アゼベヴェード広場に集まり、10時半頃からデモ行進を開始(軍警発表によれば参加者約300人)。お茶の水橋を経て市役所に向かった運動家の一部は市役所侵入を試み、入り口のガラスを割る、建物にビー玉を投げ込む等の暴力行為も見られた。お茶の水橋は11時頃、完全に封鎖されたが、市役所側が話し合いには来週応じると返答、封鎖は午後1時頃解除された。
 サンパウロ州MTSTコーディネーターのアナ・パウラ・リベイロさんによると、MTSTのデモは市議会や市役所占拠が目的ではなく、低所得者向け大衆住宅建設などの公約履行や社会事業向けの特別ゾーン(Zeis)拡大を要請し、パライゾポリス内ファイシャ・デ・ガザ、市南部イペー公園内のドナ・デダなどの公有地からの路上生活者の強制立ち退きに抗議するためだという。
 MTSTが到着した時に市役所に居たナジア・カンペアン副市長は、MTST側交渉団とは15日に話し合ったとして、同日の交渉には応じなかった。MTSTが要求した大衆住宅建設は、ハダジ市長が9月26日に市議会に出した市政計画「戦略的マスタープラン(PDE)」でも、建設用地を従来の計画より20%増やして5万5千戸を建設する事が盛り込まれている。PDEは来年初めまでに市議会で審議される事になっており、承認後の施行は行政側の責任となる。