ニッケイ新聞 2013年10月18日
イベロアメリカ6カ国から集まった老若男女47人の選手らが、11日から3日間、日本棋院南米本部で「イベロアメリカ囲碁大会」に出場し、腕を競い合った。
13年ぶりにサンパウロ市で開かれた同大会は、今年で15回目。ブラジル外からはチリ、コロンビア等5カ国から13人が参加し、老いも若きもハンデなしのオール互戦で試合に臨んだ。
チェスから関心を持ち、15歳で始めたというフランシスコ・カステルブランコさん(27)=コロンビア=は、「規則は単純でも難しいから、いつも訓練していないと。時々、仕事中でも練習している」と囲碁に夢中の様子。「同じ国から出場した12歳の子がかなり強くて、汗だくになった」と笑った。
24歳から囲碁を始めたジュアン・カリロさん(64)=チリ=も「考える力を養えるし、対戦相手と仲間になれる」と充実の笑顔。同大会で知り合った愛好者らは、ネット上で〃再会〃し競い合うこともある。
他の日本芸能やスポーツとは異なり、現地の愛好者が多い囲碁。アルゼンチンのロリ・プエルタさん(57)によれば「ヒカルの碁」など漫画の影響も大。エクアドルから訪れた吉家義礼さん(77、東京)は「初めは日本人が広めたけど、今は愛好者50人ほどのうち、日本人は私一人」と話していた。
最終日、和やかな雰囲気の中で大会が終了し、台湾系の王森峰=ブラジル=さんが優勝を手にした。日本・日系人も多く上位に食い込んだ。
大会結果は次の通り。1位=王森峰、2位=烏山久夫、3位=佐々木丞治、4位=村尾喜久、5位=新宝光幸、6位=メンデス・ニコラス、7位=又吉ロナルド(敬称略)。