コラム　オーリャ！

ニッケイ新聞　２０１３年１０月１８日

　ある取材現場で年齢を尋ねたところ、「新聞記者の、すぐに年を聞く癖やめろよ」と言われたことがある。しりごみした私の曖昧な受け答えに、彼は「誰も年齢なんて気にしてないよ」と冗談交じりに一蹴した。
　だが、年齢表記は重要な点だ。たとえば「人生最大の喜び。言葉を失うほど深く感動した」というコメントの場合、１０歳の少年が言ったのと、経験豊富な７０歳が言ったのでは、言葉の重みがまったく違なる。
　読者全員が知っているような有名人なら、あえて年齢を書かなくてもいいのかもしれないが、実際の取材対象はそんな有名人とは限らない。取材した人物の言葉の印象を的確に伝えることも新聞の役割である以上、これからも年齢を聞くことが多々あるだろうが、ぜひご理解とご協力をおねがいしたい。（祐）