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マイス・メジコス=暫定法案は大統領裁可へ=勤務登録問題も解消か=第2次派遣にも弾みつく=一方で医療ミス等の問題も

ニッケイ新聞 2013年10月19日

 【一部既報】上院は16日、連邦政府の医師派遣計画「マイス・メジコス」に関する暫定法案を可決した。17日付エスタード紙が報じた。18日付G1サイトによれば、パディーリャ保健相は同日、ジウマ大統領は来週にも同法案を裁可する見込みで、その後すぐに外国で医学部を卒業した医師に対する仮の勤務登録を発行する準備に入る考えだと説明した。

 仮の勤務登録認可は従来、各地方医療審議会の責任だったが、同プログラムの外国人医師の登録の遅れは著しく、許可がないために勤務できない医師は、派遣された600人の約半数に上る。その上、2週間以内に研修を終えて派遣予定の医師が2597人おり、同じ状態になることを恐れていた政府にとって暫定法案可決は必至だった。
 パディーリャ保健相によれば、登録認可のない医師は既に各自治体に派遣され、医療行為は行えなくても各々の勤務地で医療従事者チームや診療所と連絡を取り、指導などを行っているという。
 「彼らは各自治体がインフラや薬剤等の不足を認識するのを助けているという点で、既に重要な役割を果たしている。プログラム開始1カ月で、既に36万件の診察を実現した。登録の遅れが解消されれば、彼らは完全な状態で勤務でき、80万人の患者に対応できる」と同相は説明する。
 なお、同プログラムでは現在までに1061人の医師が勤務を開始しているものの、各自治体から要請があって募集した1万6千人の1割しか満たしていない。14年の大統領選挙に向けたジウマ大統領、サンパウロ州知事への出馬が予想される同相の選挙キャンペーンでは看板政策の〃切り札〃となると予想される「マイス・メジコス」も、問題が相次いでいる。
 18日付G1サイトによれば、マット・グロッソ州など14州で偽の医学部卒業証書が提出されていた疑惑に関し、連邦警察が「アクスレーピオス(ギリシャ神話に登場する名医で医神とされる)作戦」と呼ばれる調査を開始した。麻州では41人がボリビアの大学の医学部卒業証書を連邦大学に提出、国内勤務承認のための試験(レバリダ)受験を申し込んでいたが、実際は誰も医学部を卒業しておらず、その大学に在籍していた記録もないことがわかった。 警察によれば、連邦大学への入学かマイス・メジコスの医師として働くことが目的とみられ、卒業証書自体はボリビアの該当大学の職員が発行していたという。
 また、16日付G1サイトによれば、南大河州沿岸部トラマンダイーで勤務するアルゼンチン人医師が医療ミスを犯し、同州の地方医療審議会と市保健局が調査を始めている。同会のフェルナンド・ウェーベル会長によれば、同医師は抗生物質のアジスロマイシン500ミリグラムを8時間毎に2日間内服という処方箋を出したが、呼吸器合併症の64歳男性への投与量としては過剰で、本来は1日最大500ミリグラム、3日間の服用が適正だという。
 処方を不服とした男性の家族がノーヴァ・アンブルゴのレジーナ病院に連れて行ったところ、男性は両側胸水という異なる診断を受けた。同会長は「幸運にも患者は過剰な量の薬剤投与の前に、別の医師によって適切に診断された。X線検査時に適切な診断がなされなかったのが重大なミス」と指摘している。