ニッケイ新聞 2013年10月19日
本紙既報のブラジル人初メジャー投手となったアンドレ・リエンゾ選手。彼の古巣、アチバイア・クラブ(文協野球部)の近年の活躍は目覚しい。
自前の練習場すらもたない〃町クラブ〃にも関わらず、直近の全伯大会を連覇し、3月の世界大会WBCには3選手を輩出した。成功の理由をリエンゾ選手に尋ねると、間髪入れずに「ウニード(団結)」という言葉が返ってきた。
クラブの総代表を務め、40年以上に渡って選手への指導を続けてきた辻修平さんだが、実は日本での野球経験はない。細かい技術の養成より、重視したのはチームプレーの精神や規律といった、一つの団体としてまとまるための意識付けだったという。
ずば抜けた個人能力を持つリエンゾ選手にまで浸透するその団結の意識は、日系野球が同地にもたらした大きな財産と言えるのではないか。(酒)