ニッケイ新聞 2013年10月24日
7月14日に起きたリオ市のファヴェーラ・ホッシーニャ在住のアマリウド・デ・ソウザさん失踪事件に関して、22日、新たに3人の軍警が逮捕され、15人の軍警への告発が行なわれるなど、かねてから有力視されていた軍警による拷問死説が急浮上してきた。アマリウドさんは平和維持警察隊(UPP)に拷問を受け殺されたとの説が以前から有力視され、抗議行動の対象にもなっていた。23日付伯字紙が報じている。
疑惑が明るみに出たのは、軍警のマルロン・カンポス・レイス容疑者が7月18日「カタタウ」というホッシーニャの麻薬密売人に携帯電話で通話を試み、自分がアマリウドさんを殺害した軍警の一団の一人であることを明かしたのが発端となった。その上で同軍警が「密売人がアマリウドさんを誘拐し殺害した」とする偽装工作を手伝ってくれれば、見返りに密売人に便宜を図ると交換条件を出した通話内容の録音が明らかにされた。そこから4日、マルロン容疑者をはじめ10人の軍警が逮捕されていた。
その後の調べで、アマリウドさんへの拷問に直接関わっていたのが、レイナウド・ゴンサウヴェス軍曹をはじめとした4人の軍警であることが判明し、22日、ゴンサウヴェス軍曹は他の2人の軍警と共に逮捕された。拷問に関わっていた、ルイス・メデイロス中尉をはじめとした他の3人の軍警は4日の時点で既に逮捕されていた。
また、リオ地裁は22日に4日に逮捕された10人に加え、ゴンサウヴェス軍曹をはじめとした15人の軍警への告発を行なった。これで、この事件での軍警の摘発は25人に及んだ。25人の罪状の内訳は、4人が「捜査手順の不正」、13人が「犯罪計画」、8人が「事実黙認」となっている。
捜査文書によると、拷問に関わった軍警は、アマリウドさんを強盗犯と見なした上で自白させようとバケツの水に顔を沈めたり、袋を使って窒息させたり、テーザー銃で電気ショックを与えていたという。