アルゼンチン選挙で与党完敗=クリスチーナ氏3選困難に=首都や主要都市で支持急落=マサ氏の新政党が大躍進
ニッケイ新聞 2013年10月29日
27日、アルゼンチンで選挙が行われ、クリスチーナ・キルチネル大統領の中道左派政党「勝利のための前線」(FPV)は、連邦議会の議席全体ではかろうじて過半数を維持したものの、今回入れ替わった分の中では大きく数を減らした。加えて主要都市の知事市長選でもセルヒオ・マサ氏率いる中道右派新党・刷新党(PRO)の台頭が顕著となった。現政権への不満の高まりを反映した結果となり、憲法改正して3選を目指していた同大統領にとり、厳しい現実を突きつける結果となった。15年の次回大統領選に向けて、ブラジルとの経済関係にも影響を及ぼすと見られている。28日付伯字紙が報じている。
今回の選挙は「下院の半数」「上院の3分の1」「州知事と市長」を選ぶもの。前回2011年の選挙では、夫のネストル・キルチネル前大統領のカリスマ人気もあって、連立与党は上下両院で過半数を超えていた。
その後、経済不況、為替変動、慢性インフレ、言論統制などが国民の反感を呼び、各地でデモが頻発した。夫の時代から10年続く「キルチネリズム」への反感感情が高まり、一時は60%あった支持率が半減し、その変化が今選挙にも現れた。議員選挙は政党に投じる比例代表制だが、FPVの下院得票率は、連立与党を足しても32・27%にしかならず、上院での支持は約37%のみ。今選挙の議席数を見ると野党側が3分の2を取る結果となった。
さらに主要都市では与党の影響力低下を顕著に示す結果となった。中でも下院の議席数252人のうち95人を占めるブエノス・アイレス州ではPROが43・92%で、FPVの32・18%を大きく上回った。同州には国民の40%が住み、その動向が全国に与える影響力は絶大だ。同国第2のコルドバ州、第3のサンタフェ州に至ってはFPVの支持率は第3位にまで落ちた。
次回の大統領選に向け、クリスチーナ大統領は3選を可能にするように憲法改正を試みていたが、今回の結果で難しいものとなった。
一方、今選挙で一躍の注目を集めたPRO党首のマサ氏は、もともとはFPVに在籍し、第一次クリスチーナ政権時(2007〜11年)に下院議長をつとめていた。09年の選挙が振るわなかったことで同大統領から解任され、同氏は同年11月、首都の米国大使館で、現大統領は「頭がおかしい」「ネストルの言いつけに従っているだけだ」と批判し、後に暴露されて話題となった。
マサ氏は今選挙に新党PROを組んで立候補し、8月の一次選挙の際に圧勝し、15年大統領選への立候補が有力視されている。もし政権が変われば、メルコスルやブラジルとの関係も変化するとの推測がある。
クリスチーナ氏は脳内出血の手術の後、公の場には姿を現しておらず、心臓にも問題を抱えているとの報道もある。