ニッケイ新聞 2013年10月30日
サンパウロ州サンロッケ市で起きた動物愛護家たちの動物実験施設への侵入事件をめぐってダッタフォーリャのアンケートが行なわれ、サンパウロ州民の大半がネズミの動物実験に賛成している一方、猿や犬に対しては反対していることがわかった。29日付伯字紙が報じている。
サンパウロ州サンロッケの動物実験施設「インスティトゥート・ロイヤル」に18日に、「動物を下剤の実験に使って虐待をしている」と抗議する数十人の動物愛護団体が侵入し、ビーグル犬178匹の解放を行なった事件に関してのもので、このアンケートは25日にサンパウロ州民を対象に行なわれた。
それによると、サンパウロ州民の56%が、同事件での動物愛護団体の侵入を「良い」と判断し、「悪い」の33%を大きく上回った。
動物実験についても質問がなされ、犬の動物実験に関して、賛成は29%で反対が66%と圧倒的に反対が上回った。猿に関しては実験賛成が34%で反対は59%、ウサギへの賛成は37%で反対は57%と、圧倒的に反対が多かった。
ところがネズミでは反応が違った。こちらは賛成が66%で、反対は29%と、他の動物の場合と逆の結果となった。
国家サニタリー監督庁(ANVISA)の見解によると、動物実験の許可が求められる場合、通常ならネズミを使用するように薦めているという。犬に関しては一部実験を許可しているが、その場合は、心臓や神経組織への毒性を試すものに限られているという。
動物実験は通常2匹の哺乳動物に対して行なわれるとし、そのうちの一つはネズミ類以外でなくてはならない。また、動物実験で一切の好結果が出なかった薬品については、人間に対してのテストを行なってはならないと定められている。