ニッケイ新聞 2013年10月30日
質問=15家族ほどの小さなアパートを借りて住んでいるのですが、シンジコ(住民代表管理人)のしていることが、コンベンソン(建物の法律)に違反しているような気がします。例えば、住人会議で集まった人の半分で色々なことを決めたり、ガレージを住人以外の人に有料で貸したり、何かのトラブルのときに修理業者の見積もりを取らず自分で決め、何も知らされずに後になって修理代を請求されたり…。全てコンベンソンでは認められていないのですが、こういう場合、どこに訴えればいいのでしょうか。また、ブラジルの法律ではどうなっているのでしょうか。
回答=まず、コンベンソン(convencao)というのはビルを建てて売りに出す人が、建てたときに作った決まりで、レグラメント(regulamento)は、それをより詳細に、ケース別に定めたものです。国の法律に例えるならコンベンソンは憲法、レグラメントは規定だと考えればよいでしょう。
住民会議の話ですが、もし住人全員に開催の通知が届いていて、それを受け取った上で出席しないということならば、出席した人に全権を委ねるということを意味しています。たとえ住民の半数以下しか出席しなかったとしても、そこで決められたことは必ず有効なのです。そのようにブラジルの民法では決まっています。それをそのコンベンソンが認めていないなら、コンベンソンの方が無効です。
修理業者の見積もりの話については、これは住民会議で決めているのではないでしょうか。もしシンジコが独断で決めているのなら、それは認められません。
ガレージについては、これはコンベンソンに明確に定められているはずです。ある賃貸のアパートでは住民がガレージを人に貸して収入を得るということを認めている場合があり、裁判でコンベンソンが住人の権利を過度に侵害していると認められれば、それを無効とする判例もあります。もしコンベンソンがそれを認めていないなら、そういったことも可能だと思います。
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