ニッケイ新聞 2013年11月1日
連邦政府は、先進国や近隣諸国など11カ国に、ブラジルの観光案内等を行う事務所を13カ所設置する。30日付G1サイトが報じた。
運営業務は民間のクーニャ・ヴァス・エ・アソシアードス(ポルトガル)、プロモ・インテリジェンシア・トゥリスチカ(ブラジル)の2社に委託し、契約金は年間750万レアル、13カ所に職員50人が派遣される。
ブラジル観光公社(エンブラツール)によればこの事務所は「ブラジル観光事務所」(EBTs)と名づけられ、来月にもオランダ、ドイツ、スペイン、フランス、イタリア、ポルトガル、英国、亜国、ペルー、米国、日本の11カ国に13カ所(各国1カ所ずつ、米国のみ3カ所)設置される。目的は各国の旅行代理店や関連業者と連携を密にし、観光地として売り出すことだ。
これら13カ所の事務所のうち複数は、その近隣諸国への情報提供も行う。例えばペルーのリマの事務所は国内だけでなくコロンビア、ボリビア、パラグァイ、エクアドル、ベネズエラも担当エリアとなる。
同公社のフラビオ・ジノ社長はその11カ国を選んだ理由に、その国々からの観光客が多いことを挙げ、「事務所は二つの機能を持つことになる。現地国の情報を収集することと、ブラジルを代表する販売代理店のような場所にすること」と説明する。
2011年にそれまで諸外国にあった観光事務所を運営していた民間企業と政府の契約が切れてから運営は停止され、それ以降はインターネットや大使館の広報部署などで代替してきた。
ジノ社長は「EBTsは、ブラジルの観光業を国際市場で持続した形で成長させるのに貢献するはず。2016年で成長は終わらないと証明したい」と期待を見せる。
W杯の折には、世界中から60万人の観光客の来伯を見込んでいる。しかしデモ発生、ホテルや航空券の料金高騰などへの懸念が高まっていると予想される中で、エンブラツールはブラジルイメージ改善を図るべく、広告キャンペーンを23日から始めている。
「ザ・ワールド・ミーツ・イン・ブラジル」と英語でタイトルを付けた1分間のビデオは、同キャンペーンの一環だ。豊かな自然やホスピタリティーに満ちた雰囲気を打ち出しているだけでなく、全てのインフラやスタジアムの設備が整っていると謳い、「ここを家のように感じてほしい」とアピールする。
同キャンペーンは来年の6月までで米国、英国、ドイツ、メキシコ、亜国、チリ、コロンビアなどでテレビやインターネットを通じ、4350万レをかけて行われる。