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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2013年11月1日

 日本文化の一つである盆栽をブラジルで普及させようと、半世紀に渡り試行錯誤を繰り返してきた人物がいる。サンパウロ市在住の柿丸弘さん(78)だ。
 移住後ほどなく、自身の趣味である盆栽を、日伯融合の形にならないかと追求し、今では1メートルを超える40年物のピタンガが立派な姿で自作の鉢に収まっている。
 柿丸さんの盆栽は、松ではなくブラジルの木にこだわって製作される。コロニアには日本文化を、当地のものを活かして普及を試みることも多い。生け花などがそのいい例だろう。
 決まった形式にとらわれない柔軟な発想は、移住者ならではの感覚だろう。記者活動のなかで、そんな日本文化の〃変化球〃を味わうのも一つの楽しみとなっている。
 柿丸さんの半世紀にわたる挑戦の成果は、今週土曜日付けの特集ページで紹介するので、ぜひ目に留めてほしい。(祐)