ニッケイ新聞 2013年11月2日
先月29日にブラジリアで行われたセミナー「税政と持続可能性—新しい経済へのプラットフォーム」では、ブラジルでは森林破壊が減少しているが、二酸化炭素の排出量は必ずしも減っていないと発表された。先月29日付バンデニュースTVサイトが報じた。
例えば、1995年から2005年の間にエネルギー産業で同排出量は41・5%増、農牧畜産業で23・8%増、05年から10年の間にそれぞれ21・4%増、5・3%増を記録した。森林破壊の減少以上に、産業界から出される二酸化炭素などの温室効果ガスが増加しているようだ。
同セミナーはアマゾン環境調査院、上院経済委員会などの主催で行われ、気候変動の原因ともいわれる温室効果ガス放出において、政府の税政策を考えるというもの。同ガス排出量は増えているのに、エネルギー部門への税金費用に関する税制優遇はここ10年で増えていると専門家は矛盾を指摘した。2011年から12年の間には運輸業界における燃料消費量は7・6%増え、自動車の販売台数は同じ期間で4・6%増えた。
専門家らは「持続的な発展に向けた他の重要な政策と、税政策の一致」を主張しており、社会が環境と二酸化炭素排出に対する政府の税政を評価できるよう、税の優遇措置について情報が公表されるべきだとしている。