ブラジル国内ニュース(アーカイブ)

アルゼンチン=クラリンが分社化で対抗=メディア法で縮小迫られ

ニッケイ新聞 2013年11月6日

 【既報関連】アルゼンチン最高裁の「メディア法」合憲判決により、経営規模の大幅縮小を迫られたクラリン社が、対抗策として会社を6分割する意向を示した。5日付伯字紙が報じている。
 アルゼンチンのメディア最大手クラリン・グループは、反クリスチーナ政権の急先鋒として知られている。現政権はそれに対抗するように、放送事業の独占を禁じる「メディア法」を12年に成立させた。これはベネズエラに続く南米国の言論統制と見られ、米州内で問題視されている。
 10月29日の最高裁判断で、メディア法は改めて合憲であることが確認され、クラリン社は窮地に追い込まれていた。メディア法に従うと、同社は所有している放送免許全158を24までに、民放テレビ4つとラジオ7つの計11の地上波放送チャンネルを10に、全6チャンネル所有しているケーブルTVのチャンネルを1つに減らす必要がある。
 その急激な業務縮小にクラリンがどう対応するかに注目が集まっていたが、4日、クラリンは会社を6つに分社化することで政府に対抗する姿勢を見せた。その6つの内訳は「民放テレビ部門」で2社、「ケーブルTV部門」で計3社、「ラジオ部門」で1社。メディア法によると、民放テレビは最大で一州分の放送範囲しか認められないが、クラリンは同社が各州に持つ系列ローカル局の免許を保持したままだ。「6分社」だと、1社につき24までの放送免許が認められるため、最大144の免許を保有することが可能だ。
 また、国内最大規模を持つ同名の新聞をはじめ、雑誌など活字メディアについては言及していない。活字媒体はメディア法の規制対象には入っていない。
 このクラリンの対策に対し政府は審査に入るとしているが、この場合、誰が社主で、誰が株主になるかが判断の決め手となりそうだ。

こちらの記事もどうぞ

Back to top button