ニッケイ新聞 2013年11月8日
サンパウロ州リベイロン・プレット市北部のジャルジン・インデペンデンシアで5日から行方不明になっている、糖尿病を患う3歳児をめぐって、市警は裁判所に6日、少年の母親と継父の逮捕状を請求したが却下された。6日付伯字紙が報じている。
この事件は5日朝、ジョアキン・ポンテ・マルケスちゃんが、継父と母親夫婦の家から突然失踪したことからはじまった。母親が「ジョアキンは糖尿病を患っていて、1日に数回インシュリンを摂取する必要がある」との訴えから、市警と消防隊が捜索にあたりヘリコプターまで動員された。だが、現在に至るまでジョアキンちゃんは発見されていない。
4日の夜中に夫婦の家の玄関が開いたままになっていたことと、家から200メートル先にある小川との間で、警察犬がジョアキンちゃんと継父の服の匂いを嗅ぎつけたことから、市警は継父がジョアキンちゃんを小川に連れて行き溺死させた疑いを抱いた。そこに母親のいた形跡はないようだ。
また、継父は夜中の3時頃に薬を買いに出かけたと主張しているが、目撃者はおらず、薬も目撃されていない。また、その時間帯の夫婦宅近辺に設置されてある防犯カメラには、1人の男性が紙袋のようなものを持って歩いている姿を映している。だが、きわめて暗いため確認が必要だという。
ジョアキンちゃんの実父アルトゥール・パエスさんは、ジョアキンちゃんと現在の両親との関係は良好だったといい、市警の両親への逮捕請求に驚いているという。
継父と母親は6日、警察署で1日中証言をして、そこで「何者かが家に入り込んでジョアキンちゃんを誘拐した」と無罪を主張している。
精神科医であった母親が勤務していたサンパウロ州イプアーにあるクリニックに、継父が患者として通っていた縁で知り合っていたという。
この事件は歌手のイベッチ・サンガーロや女優のカロリナ・ジックマンがネットで騒いだことで有名になっていた。