ニッケイ新聞 2013年11月9日
鉱物資源大手のヴァーレ社の今年第3四半期の純利益は79億レに上り、昨年同期の33億2800万レの2倍以上、140%増を記録したと7日付エスタード紙が報じた。
営業利益も昨年同期の233億レから、今年の第3四半期は295億レとなった。国際市場での鉄鉱石価格が上昇したことで、鉄鉱石とペレットの輸出が回復し、史上3番目に多い輸出量を記録したことが主な要因で、経費削減に成功したことも大きい。
同社は生産した鉄鉱石80%を輸出しているが、第2四半期(7月から9月)はレアル安の為替の影響を強く受け、8億3800万レの純益に終わっていた。それに比較して、今期は9倍以上となった。
ヴァーレ社の顧客はアジア諸国に集中しており、最大の輸出先は中国で、同社の製品全体の約50%を中国が購入していることになる。収益額全体の40・6%を中国が占め、その次にブラジル国内で16・5%、日本が9・1%、ドイツが6・8%、韓国が3・9%、米国が2・4%を占めている。
地域別に見るとアジア向けが56・6%、南米向けが18・2%、ヨーロッパが17・2%、北米が4・2%、中東が2・5%となっている。
鉄鉱石ならびにペレットの生産量が16%増えたことに加え、同社は第3四半期に銅、金の生産量が過去最高を記録した上、ニッケルの生産量が安定的に推移した。
また、第3四半期は鉄鉱石の売値が回復した時期で、昨年の同時期は中国市場への投入物価は1トン90ドルを下回っていた。
同社財務担当役員のルシアーノ・シアニ氏は、「当社は逆境の中でも、生産量を増やしてかつコストを抑えられたことで、株主に対しても良い結果を出せた。今後も活発に投資活動を進められる」と評価する。同社は今年、株主への配当金として45億ドルを実現している。
同社の第3四半期の投資額は34億ドルだった。今年9カ月の投資総額は110億ドルで、前年同期比では1億2200万ドル下回った。投資額の多くは案件を実施するための資金に回している。
第3四半期は、収益性の高い鉄鉱石、ニッケル、銅、石炭、肥料といったメイン事業に投資を集中させることに務め、傘下輸送会社のVLI社の一部を27億レで売却することを発表している。