ニッケイ新聞 2013年11月9日
レジストロ地方日本人移住百周年を祝う岐阜県中津川市の慶祝団は、市役所や姉妹都市協会などの関係者が大多数。その中で唯一〃一市民〃として来伯したのが西尾勉さん(78、愛知)だ。
動機を尋ねると「人に会いたくてね」と相好を崩した。話を聞けばブラジルは2度目。1986年に、サンパウロ市に移民した姉を訪ねる友人に同行したという。その時知り合った友人姉の娘夫婦と意気投合。以来、連絡を取り続けていた。
やりとりは年に一度のクリスマスカードの交換。毎年欠かさず送り続けて27年、「これを逃せばもう会えない」と市の官報に掲載された募集に飛びついた。
「明後日、このホテルで会うんだ」と手帳を指差し、古い名刺を手にして笑う西尾さん。姉妹都市交流の陰でまた違った交流の架け橋が繋がったと思うと、今回の訪問はさらに意義深い。(酒)