ニッケイ新聞 2013年11月14日
労働者党(PT)の党首選挙は10日に投票が行われ、12日に、2011年から党首をつとめていたルイ・ファルコン氏の再選が確定した。これに合わせ、PTの14年に向けての知事選出馬や、それに伴う連邦政府内の人事異動も活発化しそうだ。13日付伯字紙が報じている。
PTの党内選挙は前回09年以来4年ぶりとなる。ファルコン氏は12日午後8時30分現在、開票率86%の時点で、全投票数約40万の約70%にあたるPT党員の票を集め、2位のパウロ・テイシェイラ下議を寄せ付けずに圧勝した。
サンパウロ州議員でもあるファルコン氏は、前任のジョゼ・エドゥアルド・ヅットラ氏が体調不良で辞任した後を引き継ぎ、11年4月から党首を務めている。今回の党首選挙では、ルーラ前大統領が今までにないほど党内選挙に傾注し、ファルコン再選のお膳立てをした。
ファルコン氏圧勝で、ジウマ大統領再選に向けたPTの党内体制はかなり強化された。ファルコン氏は10年の選挙でも途中までジウマ氏のキャンペーン・コーディネイターを務めている。
ファルコン氏の当面の課題は、14年の知事選で、連邦政府連立与党最大のパートナーである民主運動党(PMDB)との関係をいかに調整するかだ。PMDBから州知事選や上議に出馬を希望する候補者の間で、州レベルではPTとの協力を放棄すると言い始める人が存在するためだ。
一方、ジウマ大統領がペルーへの旅行中に内閣改造を発表したように、これからは、知事選などに向けた動きと連動した人事異動が活発化する。連邦政府からは、グレイシ・ホフマン官房長官がパラナ州、アレッシャンドレ・パジーリャ保健相がサンパウロ州、フェルナンド・ピメンテル開発商工相がミナス・ジェライス州の知事選に出馬することが確実視されている。
その後任人事として、官房長官にはアロイージオ・メルカダンテ教育相が有力視されている。だが、メルカダンテ氏のほかに、ミリアム・ベルキオール企画相も候補のひとりと言われている。
ピメンテル開発商工相の後任は、ルーラ政権下で2期にわたり副大統領を務めたジョゼ・アレンカール氏の長男で、最近PMDB入りした企業家のジョズエー・ゴメス・ダ・シウヴァ氏の入閣が噂されている。PTは当初、ジョズエー氏をピメンテル氏のミナス州知事の副知事候補にと考えていたが、PMDB側がアントニオ・アンドラーデ現農業相を希望したため、ジョズエー氏が開発商工相に回ることになりそうだという。
ブラジル社会党(PSB)の連立与党離脱で空いた国家統合相のポストには、PMDB党員で同党のレナン・カリェイロス上院議長と親しいヴィタル・ド・レゴ上議の名前が上がっている。
また、14年大統領選に向けての連邦政府内の連立を強化するべく、進歩党(PP)、社会民主党(PSD)、新党の社会秩序共和党(PROS)にも大臣職を与えることも検討されている。