ニッケイ新聞 2013年11月15日
写真=シダーデ・リンパ法以前(07年施行)のガルボン街。今はなき数々の看板の中には、懐かしいスダメリス銀行、明石屋と刻んだものも
「ようやく若林和夫さんから仲間の一人に認めてもらえました」。画家の砂古友久さん(84、佐賀)が4回目の個展を23日から26日(午前10時〜午後6時)まで、サンパウロ市の文協ビル1階にある日系美術館で開催し、水彩画、油絵など近作を中心に55点を展示する。入場無料。
子ども時代から独学で水彩画を描き、東京外大卒業後、君塚慎大使の秘書として52年に渡伯。60年には聖美会に所属したが、その後20数年間はBRASARTE社を設立、経営に専念した。
80年代から画業に復帰し、会社を閉めたのち日系画家と親交を深めた。00年代はあちこちに出展して賞を獲得、昨年末から若林さんに本格的に師事し、この度〃仲間〃になった。「コロニア画家の皆さんから下地をつけてもらい、若林さんに仕上げてもらった」と経歴を説明する。
緻密な具象画で「細かく描きこみ、何度も描き直すので完成まで2、3カ月かることもある」とか。当日は、08年に史料館に寄贈した作品「笠戸丸」も同船図面と共に展示する予定。「14番埠頭を背景にするために、敢えて海側から描いた。写真で残ってない角度で、図面を見ながら苦労した」という。こだわりの作品といえそうだ。