ニッケイ新聞 2013年11月22日
ミッキーやミニーにススーパーマンの絵。誰が見ても子供向けだが、ビンの口はシャンパン同様に蓋が飛ばないよう針金で閉じてある。セレゼル社がクリスマス(ナタール)の時期だけ出すSpunchという商品の販売が適正か否かを巡り、2011年に公選弁護人が始めた論争が今も続いている。
Spunchは発泡酒のシャンパン同様に泡が出る、子供用の炭酸ガス入り飲料だ。だが、サンパウロ州の公選弁護人達は、発泡酒のシャンパン同様に蓋が飛ばないように針金をかけてある事などが、子供がお酒に手を出すきっかけになるなどとして、11年12月27日に店頭にある商品の回収を要請。この時は販売予定期間後で回収済みだったために事なきを得たが、2012年クリスマスに問題が再燃。
公選弁護人達は2013年2月、アルコール分は含んでいなくても、シャンパン同様の包装でスーパーに並べ、アニメのキャラクターを使って子供達をお酒の世界にいざなっているとして、店頭販売を禁ずるよう、民事訴訟に持ち込んだ。
今年もクリスマス向けの商品が店頭に並ぶ中、裁判官は、青少年向けの商品購入は保護者の責任の下で行われるべきで、Spunchに関しても子供への指導は保護者の責任とした上、2012年7月に公選弁護人達が提出した、同商品が酒類への関心を喚起するという資料も不十分と判断した。ディズニーのキャラクターを思い起こさせる商品名も子供達を飲酒にいざなうとは考え難いとして、店頭販売禁止は不要と判断した。メーカーは、消費者保護法にのっとった商品で、健康を脅かしたりする危険性は皆無と強調している。(8日付エスタード紙より)