ニッケイ新聞 2013年11月23日
サンパウロ州地下鉄・CPTMの入札に関するカルテル・スキャンダルで、ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事の州政府の重要人物が収賄に関与していたとの報告が行なわれていたことが明らかになった。21〜22日付伯字紙が報じている。
カルテル・スキャンダルは今年の6月頃からサンパウロ州と連邦直轄区を震撼させているが、21日付エスタード紙が、民主社会党(PSDB)と民主党(DEM)がより深くこのスキャンダルに絡んでいることを指摘する文書が挙がっていることを明らかにした。
この文書は、カルテルの中心企業でドイツに拠点を置くシーメンスの元販売局長エヴァートン・ラインハーマー氏が経済防衛行政審議会(Cade)に渡したものだ。その中にはマリオ・コヴァス、第一次アウキミン、ジョゼ・セーラにいたるPSDBサンパウロ州知事政権下の1998〜2008年に、同党とDEMの2政党の資金を潤すことを目的とした汚職計画が存在したと記されていた。
また、22日付伯字紙によると、この文書には同時に、現アウキミン政権の重要人物がこのスキャンダルに関して収賄を受けていたことが記されていたという。
その人物は、エジソン・アパレシド州政府長官(PSDB)だ。報告によると、カルテルの仕掛け人的存在のロビイストで連邦警察が20日に告発した、プロシント・プロジェト・エ・コンスルトリア・インテルナシオナル社のアルトゥール・テイシェイラ氏が、カルテルに絡んだ10の企業からの賄賂の受け取り手の一人として、アパレシド氏とアルナルド・ジャルジン連邦下議(社会大衆党・PPS)の名前を挙げているという。
同報告書には現アウキミン政権のジュランジール・フェルナンデス運輸局長、ジョゼ・アニーバル・エネルギー局長、ロドリゴ・ガルシア経済開発局長の名前もあり、テイシェイラ氏と「密な関係にあった」と記されていた。また、14年の大統領選でアエシオ・ネーヴェスPSDB党首が出馬する際の副候補と見られているアロイージオ・ヌーネス上議や連邦直轄区関係者も、テイシェイラ氏と「近い関係にあった」という。
この報告書は今年の4月17日にCadeに提出されている。つまり、5月にシーメンスがCadeにカルテルについての供述を行なうことの同意が起こる前に提出されたことになる。
アエシオPSDB党首は21日、この報告書に関して「Cadeは労働者党(PT)関係者が取り仕切っており、カルテルの摘発も政治的な策略が背景にあるので断固として認めない」との文書を発表。ヴィニシウス・カルヴァーリョCade会長はPT党員で、サンパウロ市サービス局長で休職州議のシモン・ペドロ氏と深い関わりがあるとして大統領府倫理審議会から警告を受けている。ラインハーマー氏は、シモン氏の援助でカルヴァーリョ会長と会い、報奨付きで事件に関する供述をするとの合意文書を作成したことを認めている。
アウキミン知事は21日、司法当局に対し、アパレシド氏らに関する文書を自分自身も見ることができるように求めた。