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どうなる、2020年万博=27日に開催都市が決定=サンパウロ市は勝利に否定的とも

ニッケイ新聞 2013年11月23日

 万国博覧会国際事務局(BIE、本部パリ)が主催する「EXPO 2020」(万博)の候補地に、サンパウロ市が名乗りを上げている。もし開催都市に選ばれれば南米初の万博開催となるが、27日にある開催地を決める選挙目前に、ハダジ政権は勝利には否定的な見方をしていると22日付フォーリャ紙が報じた。
 開催地への立候補は一昨年10月にジウマ大統領が正式な国の事業として申請したもので、プロジェクト資金はサンパウロ州工業連盟(Fiesp)を通じて民間の有志が提供、官民を挙げてキャンペーンを行なってきた。
 カサビ前市長は常にサンパウロ市を有力候補地として熱心にアピールしてきた。ハダジ現市長も就任直後はカサビ氏に同調、候補地争いに向けて前向きな姿勢を見せ、昨年11月にパリであった候補5都市の代表を集めたプレゼンテーションにも、カサビ氏とともに代表団を組んで参加した。
 9月20日付アジェンシア・ブラジルによれば、6月の〃抗議の波〃で万博開催への反対も叫ばれたことに対し、ハダジ市長は、万博開催が決まれば、それに伴うインフラ整備にこれまで以上の投資が行われ、市民生活にも恩恵をもたらすと強調した。
 もし開催地に選ばれれば、アニェンビー展示場の3倍の面積で、世界最大規模のメガコンベンションセンターを建設する計画がある。ハダジ市長は、このコンベンションセンターがピリトゥーバ区に限らず周辺の区での雇用創出や収益増につながるとし、「世界中からイベントを誘致でき、大きな経済効果が期待できる」とアピールしていた。また、セントロとピリトゥーバを結ぶメトロ6号線の開通は開催決定いかんに関わらず実施するとも公言していた。
 しかし、フォーリャ紙の取材によれば、現在はハダジ政権がこのコンベンションセンター建設を肯定的には考えていないという。もし今回の選挙で勝てなかった場合、現政権は2025年の博覧会開催地への立候補に向け、新たにプロジェクトを打ち出す意向だ。
 今回の立候補地はロシアのエカテリンブルゴ、トルコのイズミル、アラブ首長国連邦のドバイ、サンパウロ市の4市だが、昨年11月のプレゼンテーションではイズミルの企画が最も好評で、有力候補とみられている。イズミルは2015年開催候補地にも名乗りを挙げていたが、イタリアのミラノに破れている。
 2020年万博の開催地は、開催候補地の4市がパリで最後のプレゼンテーションを行なった後、161カ国の会員国による投票で決定する。