ニッケイ新聞 2013年11月26日
22日にリオのガレオン空港とミナス・ジェライス州のコンフィンス空港の入札が行なわれ、連邦政府が設定した下限の4倍近くもの巨額落札が行なわれ、ジウマ大統領を喜ばせた。23日付伯字紙が報じている。
ガレオン空港に対する入札額は、連邦政府や市場を驚かすものだった。政府は同空港に対する入札の最低基準額を59億レアルに定めていたが、実際の落札額はそれを実に294%も上回る190億4千万レアルにのぼった。落札者は、ブラジル企業のオデブレヒト・トランスポートと、シンガポールのチャンギ空港を運営するチャンギエアポートグループが組んだコンソルシオだった。
同空港に対しては、カリオカが筆頭のコンソルシオ(以下、筆頭者名のみ記載)が145億レアル、エコ・ロドヴィアスが131億レアル、CCRが103億レアルで応札していた。
コンフィンス空港に関しては、ガレオンの入札にも参加していたCCRが、政府の入札下限値を66%上回る18億2千万レアルで落札した。
この2空港の落札で、連邦政府は向こう25〜30年で合計208億4千万レアルの額を受け取ることが保証された。これは政府の下限設定額の251%増し、約3・5倍の額にあたる。
この結果は、連邦政府や市場を驚かせた。昨年行なわれたサンパウロ州グアルーリョス空港の落札額は、20年で160億レアルに終わり、今年10月に行なわれた、政府が最も期待していたサントス海盆のリブラ油田の落札も下限設定値のままで終わっていたからで、連邦政府にとっては予想外の喜びとなった。
ガレオン空港年間収益はグアルーリョス空港の3分の1に過ぎず、一部では「投資額に見合わないのでは」との声も飛び交っている。だが、ガレオン空港を落札したオデブレヒト・トランスポルトのパウロ・セゼーナ会長は「これは何年も研究を積み重ねて出した結果だ。私たちはこの空港を年間6千万人が利用する空港にしたいと考えている」と語っている。
オデブレヒトは、ガレオン空港をホテルやレストラン、映画館などを加えた総合施設にする意向だとされている。チャンギエアポートグループは大型滑り台つきのプールを空港内に設置し、「世界最高の空港」に選ばれた実績を誇っている。オデルブレヒトとシャンギの出資比率は60%と40%になっている。
また、コンフィンス空港を落札したCCRは、スイスのチューリッヒ空港とドイツのミュンヘン空港の各運営企業とソーシオを組んだ。出資比率はCCR75%、チューリッヒ24%、ミュンヘン1%となっている。CCRは25日から応札がはじまったマット・グロッソ州内を走る国道163号線を皮切りに、今後の連邦政府による国道入札には積極的に参加する意向を示している。
今回の2空港の入札結果を受け、ジウマ大統領は22日、「悲観的な予想をしていた人たちにとっては今日は苦々しい日だったことだろう」と大喜びで語った。