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列車が脱線し民家襲う=子供2人を含む8人死亡

ニッケイ新聞 2013年11月26日

 サンパウロ州内陸部のサンジョゼ・ド・リオ・プレットで24日午後、アメリカ・ラチーナ・ロジスティカ(ALL)の貨物列車が脱線し、線路脇の民家2軒が大破、子供2人を含む8人が死亡、8人が負傷という事故が起きたと25日付伯字紙やサイトが報じた。
 事故発生は24日午後5時頃。同市中央部に近いジャルジン・コンセイソン地区を通過中の貨物列車が、石の上を走っているような異様な音を立て始めた後に左右に振れ始め、左側に傾いて横倒しになった後、民家2軒を直撃した。
 車両が直撃した民家の1軒では子供の祝い事でシュラスコをやっていたといい、25日朝までに子供2人や妊婦を含む8人の死亡と8人の負傷が確認されている。
 現場には軍警や消防、防災局、市警備隊などが駆けつけ、近隣住民の手も借りて瓦礫の山を崩しながら、被害者の救出に当たった。救出作業は夜通し行われたが、25日朝は救出作業を一時停止し、1千トンともいわれる積荷のトウモロコシと車両の除去、撤廃作業を進めた後、被害者の捜索を再開した。積荷や車両の除去のためにはクレーン車やショベルカーも派遣された。
 目撃者が「列車はすごい勢いで迫ってきた」と証言した事もあり、警察は24日夜、機関士から事情聴取を行ったが、ALL側は同夜、列車は時速40キロの制限速度内で走っていたと発表した。同社と警察はブレーキの故障なども含めた原因の調査を継続する。
 サンジョゼ・ド・リオ・プレットではこれまでにも何度か事故が起きており、ALLは2002年に安全装置未設置で110万レアルの罰金を言い渡されたが上告。最近になって上告が棄却され、180日という期限付きで罰金の支払いと安全装置の設置、事故が起きた時の対策立案と実施を命じられていた。