ニッケイ新聞 2013年11月26日
「若林先生に2年間師事して〃仲間〃との言葉をもらったが、とても額面通りには受け取れない。〃画家の初心者〃としてがんばりたい」。プロ画家としての初個展にあたり、砂古友久さん(84、佐賀)はサンパウロ市の文協の日系美術館で23日午後、70人以上集まった友人らを前に、頭をかきながら、そう開幕の挨拶をした。26日まで開催中。
篠又幸市郎さんが友人代表として「先日二人で来伯60周年をしたばかり。ゆっくりご覧になってください」とブラジルを愛する同志らしい言葉を贈った。初期の水彩画からアクリル、最近の油絵にいたる風景などの具象画55点がぎっしりと展示された。
画家の若林和夫さん(82、兵庫)は、砂古さんに個展開催を勧めた理由として、「プロの画家として宣言するため」に加え、「今までの作品を一堂に並べることで批判的に振り返る機会になる」と説明した。砂古作品の特徴を「とても丁寧なこと」と強調し、「絵に対する情熱が持続しないと、密度ある丁寧な作品は描けない。絵に向き合う姿勢が素晴らしい」と評価した。
東京外大の同級生で1951年からの知り合いという若松孝司さんも「外大入試の日に知り合った。あの時代から絵の素養があり、みんなにダンスを教えるなどダンティーだった」と当地唯一となった同期の若き日を振り返った。