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根強い人種間の社会格差=黒人の給与3割強少なく=「企業にも特別枠必要」

ニッケイ新聞 2013年11月27日

 2012年に連邦大学の定員に黒人や褐色、インディオへの特別枠を設ける法案が成立し、今年は黒人系議員の特別枠を設ける憲法補足法案(PEC)を下院の憲政委員会が承認するなど、人種の違いによる機会の不平等を是正しようとする試みは、社会に広がりつつあるように見える。しかし、労組間社会経済調査・統計所(Dieese)が13日に発表したデータによれば、黒人の労働者は居住地域や学歴にかかわらず、黒人以外の労働者よりも、平均で36・1%少ない給与を受け取っているという。
 調査結果によれば、特に管理職における人種の違いによる給与の差、労働の機会の差は依然大きく、黒人が給与の面において不利な立場にあることにおいては、都市間、労働時間、業種等で変化はみられなかった。
 調査を担当したエコノミスタのルシア・ガルシア氏はグローボニュースの取材に対し、「教育界全体の進歩で黒人への教育も改善したが、不平等はまだ残っている。特に高等教育を受けた人たちの間における機会の差は著しい」とコメントした。例えば、大学を卒業した黒人の平均の時間給は17・39レであるのに対し、非黒人のそれは29・03レで、小学校中退者の平均時間給の差(黒人5・27レ、非黒人6・46レ)より差が大きく、黒人はたとえ大学を卒業していても、職場で非黒人よりも少ない給与に甘んじなくてはならない現実がある。
 調査によれば、黒人が不利な立場に置かれているのは給与の面だけではない。ガルシア氏が「黒人は、職を得たときから昇進するまで、その職業人生を通じてずっと不利な立場を強いられることになる」と指摘するように、大サンパウロ都市圏では18・1%の非黒人が企業の取締役や理事などの役職に着くのに対し、そのクラスに昇進する黒人は3・7%だ。
 また、黒人が就く職業としては石工やその助手、建設労働者、塗装工、清掃人、ごみ収集人、家庭内労働者、ホテルの客室係などが多く、社会的地位があまり高くなく非熟練者でも採用されることが多い職業に集中しているのが現実だ。
 この調査レポートの結果を受け、「黒人への高等教育機会の提供や政界への進出を助ける政策がこれらの不平等の改善に寄与する可能性はあるが、企業にも特別枠を設ける必要がある」と提言している。
 調査は「大都市圏の労働市場における黒人」というタイトルで、ベロ・オリゾンテ、ブラジリア、フォルタレーザ、ポルト・アレグレ、レシフェ、サルバドール、サンパウロの7都市を対象に行われた。(13日付G1サイトより)