ニッケイ新聞 2013年11月27日
「テレビ界のアカデミー賞」とも呼ばれるエミー賞の世界版、「国際エミー賞」の発表が25日に行なわれ、ベテラン女優のフェルナンダ・モンテネグロ(84)がブラジル人初の主演女優賞に輝いた。26日付伯字紙サイトが報じている。
フェルナンダにとっては、自身が国際的に誇るべき2度目の栄誉だった。1998年、フェルナンダは映画「セントラル・ステーション」の演技でブラジル人初(2013年現時点で唯一)のアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたことで知られていたが、今度はテレビ界での頂点としての受賞を経験した。
受賞対象作は、昨年の年末にグローボ局で放映された単発ドラマ「ドッセ・デ・マイン」で、27年間老後の世話をしてくれた女性に去られたことで人生を再考し、再婚を望むようになった85歳の女性ドナ・ピクーチャ役を演じた。
ニューヨークでの授賞式での受賞スピーチで、フェルナンダは「自分は選外だとばかり思っていた」と謙遜し、「今になって緊張してきた」と言って言葉を詰まらせる一幕も見せた。「この賞を、このドラマに関わった監督や出演者たち、そしてブラジルの素晴らしい役者たちと分け合いたいと思います」と語った。
84歳という年齢を全く感じさせない若々しいフェルナンダは今年、リオでの石油ロイヤリティ分配是正のデモ行進に先頭に立って参加。同性愛差別発言で知られるマルコ・フェリシアーノ下院人権委員長に対し、劇場で高齢の女優とキスをし合うなどの行為でも話題を呼んでいる。
また、「テレノヴェーラ部門」では、グローボ局の「ラド・ア・ラド」が受賞した。カミーラ・ピタンガやラーザロ・ラモスといった実力派俳優が出演し、20世紀初頭を舞台にしたこの時代劇は、同じくノミネートされていた昨年の大ヒット・ドラマ「アヴェニーダ・ブラジル」に勝っての受賞だった。
この2部門の受賞で、ブラジルの同賞の通算受賞数は10個目となり、日本を抜いて世界歴代6位となった。