ニッケイ新聞 2013年11月27日
写真=メダリストが勢ぞろい
2年に1度開催されるシニア選手のための「世界マスターズ陸上」の第20回大会が、南大河州都ポルト・アレグレで10月16〜27日に行われ、82の国と地域から4158人が出場した。ベテラン陸上界の〃超人〃たちが集い競うこの大会に、日系人は40人余りが参加し、金16個を含め獲得メダル総数は30個超という快挙となった。
投てき種目で金メダルを4つ獲得した松島巧さん(81)は週2回、練習に取り組んでいるが、「大前提として健康であること。次にコンスタントに練習すること」と話し、「老化で体が硬くならないよう柔軟性を保つことが必要。そして記録を出すためには、回転、助走で体全体のパワーを使う。投げることよりも、体を上手く使うことを心がけている」と、好記録をマークする術を語った。
清水義之さん(85)は100メートルで15秒97というタイムをたたき出し、16秒16の世界記録を更新。200メートル、400メートルでも同様に世界記録を更新した。
「年をとると足が上がらなくなる。普段の歩行から高く上げる意識をしている」と謙遜するが、80代半ばという年齢を考えれば驚異的なタイムといえそうだ。「自分自身の衰えをなるべく少なくすることで、他者と差が生まれる。無理をせずに練習に取り組むことが秘訣かな」と語った。
メダル総数は米国170個で1位、ブラジルが146個で2位、3位は英国で102個だった。ブラジルから582人が出場し、うち日系人は40人(約7%)だったが、獲得したメダル数でみると146のうち日系人は30個で20%超を占めるという活躍ぶりだった。
また日本勢は28個のメダルを獲得したので、ブラジル日系人と良い勝負だった。主な成績は以下の通り(敬称略)。
◎男子の部
【90〜94歳】家入ツトム100m、200mともに銅、三段跳び銀
【85〜89歳】前堂セイジュン1万m金、1500m銅 清水アントニオ高跳び銀 清水義之100m、200m、400mいずれも世界記録で金、三段跳び金、幅跳び銀 タカヤマ・エイジ砲丸投げ銀
【80〜84歳】松島巧ハンマー投げ、円盤投げ、やり投げ、投てき5種競技いずれも金、重量投げ銅 古屋良造・走り幅跳び銅
【60〜64歳】妻沼タケオ200m銅
◎女子の部
【85〜89歳】斉藤トミ子5000m、1500mともに銀 南千枝子やり投げ銀、砲丸投げ銅
【80〜84歳】清水ミツ100m金、200m銀
【75〜79歳】井本(いもと)スミ子ハンマー投げ、砲丸投げ、円盤投げいずれも銀、重量投げ銅
【65〜69歳】中原田末子800m銀