ニッケイ新聞 2013年11月29日
日本の自動車メーカー、ホンダが26日、サンパウロ州イチラピナで第2工場の起工式を行い、新工場は2015年から操業と発表した。27日付エスタード紙が報じた。
ホンダは現在、サンパウロ州スマレーに工場を持っているが、第2工場にはイチラピナに白羽の矢が立った。ここはスマレーから約100キロで、高速道路、鉄道、空港のすべてに近いため、輸送上便利とされている。
「スマレー工場では15年間で100万台を生産してきたが、これからの5年間で同じ数の生産を目指す」とホンダの伊東孝紳CEOは語っている。スマレー工場の生産能力は12万台で、今年は残業などを行い、14万台の生産を目指す。第2工場の生産能力はスマレーと同じ12万台で、2千人の直接雇用が見込まれている。投資額は10億レアルで、同社長は来年のW杯、16年のリオ五輪が事業拡大への大きな山場だという。
スマレー工場ではすでにフィット、シティ、シヴィックなどの製造を行なっているが、新工場の目玉となる製品は、フィットをスポーツ多目的型車(SUV)にした新車「ヴェーゼル」だ。ヴェーゼルは11月に行なわれた「東京モーターショー」でも話題となったホンダの新車だ。
このヴェーゼルでホンダは、フォードのエコ・スポーツ、シボレーのタッカー、ルノーのダスターといった同種の人気車に対抗して行こうと考えている。ブラジルでの新車の発売日は未定だが、最初はスマレー工場で製造をはじめるとのことだ。
ホンダのブラジルでのシェアは現在3・8%だが、15年には5%にしたいと考えている。同社はブラジル製の自動車部品の購入率を増やし、製造する車を80%ブラジル製とする意向で、イチラピナにも部品を供給する会社を誘致するという。