ニッケイ新聞 2013年11月29日
10月30日から3日間、リオ市で開催された「国際化粧品技術者大会」で、資生堂が世界最多となる通算18回目の最優秀賞を受賞した。
化粧品や肌などに関する世界最高の研究成果が競われる同大会。1956年ロンドンに設立し、現在は47カ国、約1万5千の会員を擁する国際化粧品技術者会(IFSCC)が主催している。今回は世界22カ国から228のテーマの発表があり、資生堂は口頭発表、ポスター発表の両部門で最優秀賞を独占する快挙を成し遂げた。
受賞したのは資生堂リサーチセンターの副主任研究員の江川麻里子さん(口頭発表)と入山俊介研究員(ポスター発表)。
江川さんは、皮膚や毛髪の水分分布を高感度で画像化できる「近赤外カメラシステム」を開発。これにより、化粧品の肌なじみ度合いを評価できるようになった。
入山さんは、皮膚の恒常性を維持する働きをになうという、基底膜のヘパラン硫酸の産生(細胞で物質が合成・生成されること)を高める「マドンナリリー根エキス」と「グルコサミン」を開発し、「ヘパラン硫酸のケアによるシミ美白対応」という新たな考え方を確立した。
同社は、「資生堂の研究開発が世界の化粧品業界をリードするとともに、他社には真似のできない安心・安全、高品質な商品を創出してきた技術の積み重ねが高く評価されてきた結果」とコメントしている。