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サンパウロ市東部=ボアッテの暴行者判明=思慮なき警備員の行動も

ニッケイ新聞 2013年11月30日

 【既報関連】サンパウロ市東部のボアッテ(ナイトクラブ)ヴィトリニ・ショーで24日未明に起きた暴行殺人事件の被害者は、警備員らに追い出された後、外で待ち受けていた青年達から暴行を受けて死亡した事が判明した。
 28、29日付G1サイトやバンジ・ニュースなどによると、被害者のエヴェルトン・レアンドロ・デ・カストロ・ノゲイラさん(25)は、友人3人と楽しんでいた時に2階座席から氷を投げつけてきた青年達と喧嘩になり、警備員によって通路に連れ出された。驚いたノゲイラさんは警備主任と話そうとしたが、警備員達は話を聞こうともせず、4人がかりでノゲイラさんをボアッテの外に追い出した。
 ところが、たった一人で放り出されたノゲイラさんを待っていたのは、一足先に警備員達に追い出された喧嘩相手。少なくとも8人がノゲイラさんを追いかけ、殴る蹴るの暴行を加えたが、ノゲイラさんが失神して工事中の道路脇の泥の中に倒れたのを見て現場を立ち去った。防犯カメラの映像によると、ノゲイラさんを追い出した警備員達は、ノゲイラさんが暴行されるのを見ても何もせず、見過ごしている。
 しばらくして店を出てきた友人の一人は、ノゲイラさんの周囲に出来た人垣を見て何事かと覗き込み、ノゲイラさんである事を確認。ノゲイラさんは病院に運ばれたが、助からなかった。検死に当たった医師は、死因は出血性ショックや腹部外傷、肝臓破裂と発表。
 ノゲイラさんは既婚で4歳の男児が居た。同店では5月にも、店から出た客2人が銃殺される事件が起きている。警察は28日にビデオ映像から少なくとも8人の容疑者特定と発表、29日朝までに2人の身元を確認した。暴行者全員を起訴した後は、警備員の行動の適否と被害者救出を怠った責任を問う予定だ。