ニッケイ新聞 2013年11月30日
「LINEの目指すところは〃エンターテイメント・プラットフォーム〃。通話やチャットなどの機能が核であるのは間違いないが、それはあくまで起点」と話す窪島さんの言葉通り、99億円(7〜9月期)の売上高の中で、大きな収益源となっているのはそこから派生する関連アプリだ。
占い、写真加工機能付きカメラ、天気予報、マンガなど多岐に渡るコンテンツの中、最も大きな収入源となっているのがパズル、間違い探しといったゲーム。これらの多くは無料で始められ、LINE上で繋がっている友人との対戦プレイも楽しめる。
ゲームを効率よく進めるための架空の道具(アイテム)や、連続でプレイする回数を増やす権利を入手すことなどに対して課金が行われ、これが全体の売上の6割に達する。
また、LINEを語る上で外すことが出来ないのが、窪島さんが「文字だけでは表し辛い感情をより手軽に、分かりやすく表現できる」と胸を張る前述の「スタンプ」だ。
基本となるオリジナルキャラクターは存在するが、各国の文化や風習によって微妙にデザインが変えられ、その国のバージョンでしか手に入らないスタンプも存在する。
無料で使用できるスタンプも一定数あるが、アニメキャラクターを使用したものなどの多くは有料配信されており、これも大きな収入源(全体売上の約20%)となっている。
企業に募る広告にも大きな特徴がある。パートナー契約を結んだ企業は自社の公式アカウントを持って、情報を発信できる。ユーザー側に〃友達〃として登録されれば、個人間同士の着受信と同様に通知されるため、従来のネット広告より大きな宣伝効果を挙げることができるという。
企業のアカウントは個人ページから見つけることが出来るようになっており、〃友達登録〃するか否かはユーザー側が判断する。企業側には、登録の見返りとして独自のスタンプをプレゼントするなどの工夫が見られる。
今年9月には、世界的なサッカークラブであるスペインのレアル・マドリード、ネイマールの所属するFCバルセロナも公式アカウントを取得するなど、その裾野は広がっている。営業活動を進める窪島さんは「企業からの感触は良好。また、国民性を鑑みればサッカークラブとの契約も視野に入る」と前向きな様子を見せた。
登録の方法などの詳細は、公式サイトで(http://line.naver.jp/pt-BR/)確認出来る。(終り、酒井大二郎記者)