ブラジルで飛躍目指すナイキ=W杯やリオ五輪で躍進か
ニッケイ新聞 2013年12月3日
スポーツ用の靴やユニフォームなどで知られるナイキが、2014年のサッカー・ワールドカップや2016年のリオ五輪を利用して、今後5年間のブラジルでの販売額倍増を目指している。
11月24日にリオ市のフォルテ・デ・コパカバーナ(正式名称は軍歴史博物館)で発表されたブラジル代表チームのユニフォームもナイキの製品だ。発表会場にはフェリポン監督や「フェノメノ」の異名を持つロナウドの姿も見られ、ジャーナリストなどの注目を集めていた。
5年間で売り上げ倍増という野望を掲げるナイキにとって、14年W杯と16年のリオ五輪は飛躍への鍵にほかならず、2014年6月に終了する会計年度の目標額には10億ドルという数字を掲げている。
ナイキにとって現在のブラジルは、世界で6番目の売り上げを上げる重要な市場だが、ナイキ社長のトゥレヴォル・エドワーズ氏は、2018年のブラジルは、米国と中国に次ぐ世界3位の市場となると明言してはばからない。
W杯を利用したキャンペーンは1日に始まり、グローボ局の定番番組である「ファンタスチコ」の合間に、小売拡大を目指した宣伝が織り込まれた。現在の販売店数は30だが、同社ではリオ五輪までに20以上の店舗新設を目指している。
目標達成にはサイトの充実も不可欠で、公式サイトにポルトガル語のページも新設。国外では既に大人気の、1日に消費したカロリーを計算してくれる腕輪もこのページで紹介される予定だ。
ブラジルを念頭に置いたマーケティング活動はサッカー代表チームとの関係を持ち始めた1997年に始まっており、W杯や五輪はブラジル市場を一気に取り込むための格好の材料だ。調査によれば、ナイキはアディダス同様、ブラジルの中でも成長著しい中流階級に属する青年達が好むメーカーだという。
中流階級の青年を対象に販売を拡大するための鍵の一つは商品価格で、外注の形で国内生産を増やしているのは輸入品にかかる税負担や輸入経費軽減策だ。現在では衣類の40%、靴の30%が国内生産品だという。
向こう5年間で販売倍増という目標は、ブラジルの消費者市場の拡大と販売網拡大による小売促進の二つの方向で実現を目指す。小売促進のために欠かせないヴィジュアル化の基本方針はスポーツ界でのパフォーマンスで、プーマのようにスタイルやモードにこだわるやり方はしない。この方針を具体的に表しているのはロナウドやネイマールといった著名選手とのスポンサー契約で、各々の選手との間で築いた関係は単なるマーケティングでは終わらず、プロやアマの選手達が好んで使う製品を生み出すための技術開発の決定的な要因ともなっているという。
14年のW杯の公式スポンサーはアディダスだが、ナイキはブラジル代表との関係を利用して同イベントでも存在をアピールする。16年のリオ五輪では、ブラジル選手団のユニフォームやボールなどの供給役を担う事が決まっている。(2日付エスタード紙より)