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ラ米記念館ホールで火災=建物の半分以上に被害=貴重な芸術作品も損傷

ニッケイ新聞 2013年12月3日

 昨年死去した巨匠オスカー・ニーマイヤーの設計で知られる、サンパウロ市中西部のラテンアメリカ記念館(メモリアル・ダ・アメリカ・ラチーナ)で11月29日に火災が起こり、記念館の主要施設であるシモン・ボリーバルホール内部の50%以上に被害が出た。この火災で、少なくとも16人の消防隊員が負傷した。同月30日〜12月2日付伯字紙が報じた。
 火災は同日午後3時前に発見され、計64台の消防車が出動。約15時間後の翌日未明になってようやく完全に消し止められた。負傷した消防隊員の内、重体で入院中の2人は、ホールに入ろうとした際、火災室内の可燃物が酸素不足の状態のまま加熱されて発生した可燃性ガスが、酸素流入によって一気に燃え上がるフラッシュオーバー現象が起きて炎に包まれ、気道に火傷を負った。
 ホールの壁にかけられていた大竹富江さん作の幅70メートル、高さ10メートルに及ぶタペストリー、有名彫刻家アルフレッド・セスキアッティ作の鳩の彫刻が被害を受けた。大竹さんは作品を創り直す意向であると発表している。
 市警備隊によれば、ホールの防音材が燃えて有害ガスが出て、隣接するレコルデTVの社員は建物から出るように指示された。
 火災の直接の原因はホールの観客席の天井にあるランプのショートとみられており、そこから火の手があがり、可燃材料が加熱して天井が一気に燃え広がったとされている。施設周辺では同日午後は停電が起き、職員たちも電気が消え、インターネットや電話が使えない状態だったと証言している。記念館側は、誰かが発電機を稼動させたかなどを調査中だ。
 記念館は1989年の落成で、市を象徴する建築物の一つ。文化遺産にも登録されている。
 シモン・ボリーバルホールは記念館の主要な施設の一つで、収容人数は1600人、国内外の主要な政治、文化のイベントを行う場として利用されてきた。マルセーロ・アラウージョサンパウロ市文化局長は「文化的な損失は大きい。修繕の手を尽くし、市民の手に(記念館を)返したい」とコメントしている。
 なお30日付G1サイトによれば、市はホールの特別運営許可の有効期限が1993年に切れていたとしているが、記念館を運営する財団のジョアン・バチスタ・デ・アンドラーデ理事長はそれを否定している。
 無傷だった絵画などは1日に搬出されたが、防災局は同ホールの無期限閉鎖と専門家による被害の実態調査を命令。警察も詳しい火災の原因の調査を始めている。

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