ニッケイ新聞 2013年12月4日
優れたコロニア文学を表彰する「2013年度にっけい文芸賞」の授賞式および「第4回全伯俳句大会」の授賞式が、先月16日に文協貴賓室で開催された。中山雄亮副領事、国際交流基金の深野昭所長ら来賓含め約130人が出席し、受賞者らの功績をたたえた。ブラジル日本文化福祉協会のにっけい文芸委員会(浜照夫委員長)主催。
日本語部門には応募のあった10作品中、『ブーゲンビリア遥かなる大地』(文藝春秋企画出版、中島宏著)、『アマゾン日本人移住八十周年』(ニッケイ新聞)、『移民画家 半田知雄その生涯』(人文研、田中慎二著)の3作が佳作を受賞した。
『ブーゲンビリア…』を著した中島宏さんは、父親の仕事の都合で子ども時代に渡伯。今は父の後を継いで農牧経営をしている。浜委員長は「笠戸丸時代の企業移住の史料を元にした、実話と史実が混ざった小説。全3冊と大作だし、初めて書いたにしてはたいしたもの」と絶賛した。
『アマゾン…』は本紙に掲載されたアマゾン移民連載を日ポ両語で収録したもので、「本の装丁、中身ともに記念誌の中で目立っていた」と講評。『移民画家…』は「残された日記を元につづったものだが、まとめ方がきちんとしている」との理由で受賞した。
また、献身的に日本語出版業界を盛り上げて今年閉鎖した、日本語中心の印刷会社としては最古の「トッパン・プレス印刷出版有限会社」に功労賞が授与された。
ポ語部門では、岸本アレシャンドレさんが10年がかりで完成させた、ブラジルにおける日本映画の影響と日系コロニアの関係をテーマにした著書『Cinema Japones na Liberdade』(リベルダーデの日本映画)が特別賞を受賞したほか、日系文学の普及に貢献したとしてエスタソン・リベルダーデ出版社が表彰された。
講評後、主催者および来賓から表彰状が手渡され、各受賞者は誇らしげな表情で受け取った。全伯俳句大会の授賞式では、特選受賞者16人に木多喜八郎文協会長からメダルが授与された。
漫画部門の入賞作品は次の通り。「Posso ver novamente o Horizontal」(Alexandra Margaret, Renato Ivo)「O outro lado da luta」(Marco Antonio Abe)「Arigato, Obrigado」(Rafaela Miyai)