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兵庫若手農業リーダー研修=「農業観変わる経験した」=11人来伯し農場など訪問

ニッケイ新聞 2013年12月4日

写真=研修団の皆さん









 兵庫県が主催する『兵庫県若手地域農業リーダー育成研修』の2013年度研修生11人が16日から来伯し、約10日間の日程で農場見学や現地日系人との交流を行った。
 同制度は1978年に第1回が行われ、今回で35回目。将来的に地域農業の中核を担う若手農業者、県立大学校生、県立高校の農業関連学科の生徒らが対象となる。サンパウロ州マリリア、パラナ州マリンガ、ロンドリーナなどの10カ所以上の農場を訪問、ホームステイや意見交換会などで交流を深めた。
 「将来的に実家の経営規模を拡大させたい」との思いから参加したのは、代々酒米作りを営む西山貴之さん(20、兵庫)。日本には無い大型の農業機械等を目の当たりにし、「見たことのないようなものばかりで、凄く考え方の幅が広がった」という。「ブラジルと日本、それぞれの良さを活かした経営を目指したい」と目を輝かしていた。
 高校2年生の山下舞さん(16、同)の実家は農家ではないが、地元博物館での職業体験で農業に関心を持った。「毒性のある植物を食用に作り変える、といった品種改良の面白さに引き込まれた」という。
 今回の研修では具体的な技術等を学ぶことは出来なかったものの「マリリアで見た、視界いっぱいに地平線まで広がる大豆畑に衝撃を受けた。農業観が変わった」と感慨深げに語った。
 25日夜には、サンパウロ市のホテルで兵庫県人会主催の交流食事会が開かれ、会員らとの懇談を楽しんだ。引率として参加し、団長を務めた県農政環境部の佐藤彰浩さん(48、兵庫)は日系農家について、「大規模なブラジル農業の中にあっても、礼儀や思いやりを大切にする日本人の心が生きていることに感動した。研修生にとっても非常に良い経験になったはず」と笑顔で話した。
 一行は26日にロサンゼルス経由で帰国した。