ニッケイ新聞 2013年12月5日
IBGE(地理統計院)が11月29日に発表した総合社会指標によれば、ブラジルでは25歳から34歳までの若者の4人に1人が、親と同居していることがわかった。
この割合は、2002年には20・3%だったが、12年は24・3%に増えた。このうち60%は男性で、親と同居していない人と比べ、就学年数は平均10・8年と高学歴、就労率も91・4%と低くはない。この年代で親と同居している人のうち14%は学業を続けており、親と同居していない人の9%と明らかな差も見られる。
〃カンガルー世代〃と呼ばれるこういった人々は南東部、収入の多い家庭に多い。基本的な生活費を親に依存することで浮かし、自分が得る収入は学業や職業訓練への投資に当てるなど経済的なメリットで同居を選んでいる人もいれば、感情的な問題で家を出ない人もいるようだ。
コーディネーター、アナ・サボイア氏は、「若者の間で人間的な成熟が遅れる傾向が広がっている」と懸念を示す。
一方で、一人暮らしをする人の割合も、2002年の9・3%から12年は13・2%と増えている。
また、15歳から29歳の若者960万人が、就学も就労もしていないというデータも出た。この場合は約70%が女性で、そのうちの6割近くが少なくとも子供が1人いる。4割近くが中等教育を修了してそのままで、高等教育過程に進まず、就労もしていない。
また、このうちの32・4%が初等教育も修了していない。
こういった人々が最も多いのは北東部だ。アラゴアス州では18歳から24歳の35・2%が勉強も就労もしておらず、ペルナンブコ州都レシフェではこの数字が31・8%。
この960万人の人々は、この年代の人口全体の19・6%を占め、実に5人に一人という計算になる。さらに18歳から24歳の間に限ると、この割合は23・4%に増える。
サボイア氏は「懸念すべき数字。この年代の人で勉強も仕事もしていないというのはありえない」と言う。理由の特定は困難だが、子供を持つ女性の場合、子育てに時間をとられそれ以外のことに時間を避けないことが考えられる。
ただし、こういった人々の存在は以前から多い。2002年は20・2%で、12年は若干減少している。(29日付G1サイト、オ・グロボ紙、エスタード紙電子版より)