ニッケイ新聞 2013年12月5日
経済協力開発機構(OECD)が3日、2012年度の15、16歳の生徒の国際的な学習到達度調査(PISA)の結果を発表し、ブラジルは総合で参加65カ国中58位、全体の平均点497点を大きく下回る402点に終わり、世界の標準では依然下位に止まっていることがわかった。4日付エスタード、フォーリャ両紙が報じた。
ブラジルは今回、数学知識と読解力、科学知識の3科目でそれぞれ58位、55位、59位といずれもワースト10以内。平均点も前回から1ポイントのみ向上という結果に終わった。政府の教育プランでは2021年までに平均点を473点まで上げることを目標としているが、PUC—SP教員のアリピオ・カザリ氏は「難しい」と言う。大きな問題の一つは生徒に応用力がないことだ。
各生徒は点数によって0から6の学力レベルに振り分けられるが、最高の6に到達したブラジルの生徒はおらず、67・1%は1にしか到達しなかった。これは、基本レベル以上の問題を解くことが難しい状態であることを意味する。
ただし、調査が開始された2000年と比べると、3科目の平均点は33・7ポイント伸び、中でも数学は03年の356点から12年は391点(9・8%)と、参加国の中では最も高い伸び率だった。PISAのレポートは3ページにわたってブラジルの成長率を報告している。
メルカダンテ教育相はこの結果を賞賛し、「最低のレベルからは脱出した。かつては1にすら達しない生徒が50%以上いたが、今ではそれが30%に減った」と、一定の成果を強調した。
ただし、PISAの報告書によれば、OECD加盟の先進国は6歳から15歳までの生徒への教育に平均8万3400ドルを投資しているのに対し、ブラジルの場合はその3分の1の2万6700ドルだという。ただ一人当たりのGDPも、先進国の場合はブラジルの3倍だ。
また、同報告書は、国内でも比較的発展途上にある地域での学校教育への投資を増やすべきと指摘しており、実際に今回の調査での成績は州によって差がみられる。
PISAが州毎に出した成績の結果によれば、平均点を上回ったのはミナス、エスピリトサント、聖、南麻、パラナ、サンタカタリーナ、南大河各州のほか、例外的に北東部ペルナンブコ州のみで、それ以外の州は全て平均点を下回った。
同教育相は石油生産に伴うロイヤルティを57%教育に回す法案が大統領裁下されたことを挙げ、公的教育への投資拡大を約束した。
調査は3年に1度実施されるもので、OECD加盟国34カ国の15、16歳の生徒、それ以外にブラジルのような招待国が参加している。2012年はブラジルから1万8589人が受験した。