ニッケイ新聞 2013年12月5日
サンパウロ連邦大学(Unifesp)が3日、家族の誰かが麻薬常用で治療を受けているという家族に関する調査の結果を発表した。
4日付エスタード紙によると、同大学が調査したのは家族の中に治療中の麻薬常用者がいるという家庭3142世帯で、常用者と共に戦っている人の数は2800万人に上る。これらの家族の58%は治療のための薬代を自分達で払っている。
この調査は、連邦政府が2年前にクラック常用者を減らすために打ち出した、「クラックは乗り越えられる」と銘打ったプログラムの評価のために行われた。
調査の対象となった家族の45%は、治療を受け始めた常用者が劇的または目に見える形で変わり始めたと報告。その一方、50%は統一保健医療システム(SUS)の中にアルコールや麻薬常用者への社会精神対応センター(CAP)がある事を知らなかった。また、CAPの存在を知っていても、その46%はCAPを訪ねていない。
CAPは常用者が来ない限り、直接関与する事が出来ず、電話や対話を通して家族に助言を与える位しか出来ない。常用者と同居する家族の58%は、常用者が身近に居る事で、仕事や勉学に影響が出ているという。回答者の80%は女性で、その46・5%は常用者の母親だった。
この調査結果を受け、保健省では次回の会議で対応を検討するという。