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14歳の少年NASAへ=詩のコンクールで金賞受賞

ニッケイ新聞 2013年12月6日

 リオデジャネイロ州カンポス・ドス・ゴイタカーゼスに住む14歳の少年が、アメリカ航空宇宙局(NASA)主催の詩のコンクールで金賞を獲得し、7日に母親と教師同伴でNASA訪問の旅に出る。
 「1日だけ科学者になれたら」というテーマで開かれた詩のコンクールで入賞したのは、市立のジェツリオ・ヴァルガス校に通うヴァウミケ・ベント・ダ・シウヴァ・オリベイラ君。ヴィニシウス・デ・モラエスの詩と歌に感動して詩に興味を持ち、2012年から集め始めた、愛や日常生活をテーマとしたモラエスの詩は30点あまりに上る。入賞作品は土星とその第8惑星イアペトゥスの間の愛を謳った詩で、ブラジルからは唯一となる入賞を果たした。
 ポルトガル語の教師のシウヴィア・エレナ・リベイロ・ネット・ペッサーニャさんは「去年までは天文学の専門家などの手も借りたけど、今年は外部の人の助けは乞わずに7〜9年生の作品を送った」という。9年生のヴァウミケ君が詩のコンクールに応募したのは初めてだったが、土星とその惑星の間の愛を謳った詩はシウヴィアさんの心をとらえた。シウヴィアさんによれば、「土星よ あなたを愛しています あなたにイアペトゥスと私の名前を書き込みましょう」という結びの部分が多くの人の胸を動かしたようだ。
 入賞者としてNASAを訪問するヴァウミケ君と母親のマルセラ・ソウザ・ダ・シウヴァさんは、シウヴィアさんと共に米国大使館でビザの手続きを行ったが、大使館員は最初、決して裕福ではないヴァウミケ君達が米国に行く理由が納得できず、ビザ発行を拒否した。シウヴィアさんによれば、マルセラさんが旅費も全て支払っての訪問である事を証明する市役所からの文書を見せ、時間をかけた話合いの後にやっと手続きを行う事が出来たというが、ビザが出たとの電話連絡は3日に入り、7日に出発する事になった。
 リオ市内さえ十分には知らないのに北半球のフロリダを訪ねる事になったヴァウミケ君は、防寒用の上着さえないというが、母親のマルセラさんは、ヴァウミケ君が詩を書く事で世界が広がった経験を持つ事が、弟や妹にも未知の世界に挑戦するきっかけとなってくれればと大きな期待をかけている。(4日付G1サイトより)